達磨図を描く- 実践編(2)

山田 真隆
2022/4/30
9,「耳」を描きます
■ 使用する筆:山馬筆(太さは各自の判断で使い分ける)
山馬筆に墨を少し付けて、左目の横に数字の「3」のような形を描きます。比較的長い距離を描くので途中で墨がかすれますが、そのかすれた具合が味を出します。一旦筆を下ろしたら、ためらうことなく一気に最後まで書くことがコツです。
*筆の太さ(大・中・小)について:「山馬筆(大)」「山馬筆(小)」のように太さを指定してある項目以外は、写画や手本にする達磨図を参考にしながら、各自の判断で自由に使い分けて下さい。

10,「耳の穴」を描きます
墨を少し付けて、耳の中央に「S」をやや崩したような形を描きます。

11,「金環(ピアス)」を描きます
■「11」→「12」は筆に墨を付けない
これも墨を少しだけ付けて、耳の下あたりから反時計回りに、釣り針のような形を描きます。描き始めは墨がやや濃く、先に行くほどかすれるように描くと、立体感が出ます。
金環を描いたら、墨を付けずにそのまま次の「右頬」を描きます。

12,「右頬」を描きます
■「11」→「12」は筆に墨を付けない
ここは墨がかすれたほうがいいので、金環を描いた筆に墨を付けずに描きます。
右目の外端の下あたりから、下へ向かって緩やかな曲線を描きます。

13,「頭頂部」を描きます
墨を付けて、右目の外端上から耳の上まで、アーチを描くように一気に長い距離を描きます。これも、描画した線の終盤がかすれるほうが、味が出ます。

14,「口」を描きます
少し墨を付け、「へ」の字を書くようにして、鼻の下に描きます。画像では口の中央辺りの墨が薄くなっていますが、濃く描いても問題ありません。

実践編(2)は、ここまでです。次の実践編(3)では、いよいよ達磨図が完成します。
達磨図講師
山田一灯(泰雲)
1944年、石川県生まれ。臨済宗国泰寺派 吉祥寺 現住職。
日本宗教画法学院より1996年に認定書を授与され、「一灯」の雅号を授けられる。