尼僧の精進料理教室レポ(令和5年9月9日)
皆さん、こんにちはーー
ZENzineで事前告知していただいた通り、令和5年9月9日、仏教伝道協会さんにお招きいただいて「こころを豊かにする精進料理教室・秋の会」にて講師を務めてまいりました〜
とても楽しくて美味しい会になりましたので、その様子を少しご報告させていただきます!
1:道元禅師の「大心」
まずは、精進料理における座右の書!曹洞宗の宗祖、道元禅師の『典座教訓』より「三心(喜心・老心・大心)」をご紹介しました。その中でも今回は特に「大心《だいしん》」に注目!
大きな海に立つ波の一つ一つが区別できないように、あらゆる命を区別をせずに見ていくのが「大心」。私もあなたも一粒の大豆も、みんな区別のない同じ命。そんな大きな心で味わうからこその精進料理を感じて頂きます。
2:境田シェフによるデモンストレーション
次の時間は、仏教伝道センタービル内の中国レストラン「菩提樹」の境田料理長による調理デモンストレーションです!
ZENzineでもご紹介している尼僧のレシピ、
- きのこの旨味だし
- がんもどき
- 煎り酒
を、プロの料理人ならではのコツも踏まえてご紹介くださいました。
参加者の皆さんには、その場で「きのこの旨味だし」を試飲していただきましたが、皆さん一様に、きのこだけのお出汁の美味しさに驚きつつ、素材が活かされた味を実感されていましたよ〜
3:実食!
そして最後は、お楽しみの実食!先ほどのデモンストレーションで登場したレシピのアレンジも含めた「菩提樹」さん提供の精進料理コースです。
- 前菜3種
- がんもどき(菩提樹風甘酢ソース)
- 押し豆腐 煎り酒を添えて
- 涼やか寒天と白菜のサラダ仕立て
- 茸づくしの精進フカヒレスープ
- 南瓜と古代米のふっくら炒飯
- 秋への移ろい デザート2種盛り合わせ
- ジャスミン愛玉子ゼリー(オーギョーチ)
- 紫芋もちのココナッツ月見団子
全てのお料理に、献立考案の境田料理長の創意工夫が散りばめられて、会場は感嘆のため息だらけ(笑)
中でもメイン料理の「茸づくしの精進フカヒレスープ」は、フカヒレに見立てた平茸を「きのこの旨味だし」で数時間蒸し上げたもの。ただでさえ、きのこの旨味たっぷりなお出汁に平茸の旨味も加わり、さらに、それがまた平茸自身にも戻っています。極め付けは、柔らかく美味しくなるように…と平茸に入れられた細かく丁寧な隠し包丁〜
はぁぁん〜うっとり〜
こうなると、どこからどこまでが平茸なのか、はたまたコレは料理なのか…料理長そのものなのか…(笑)とにかく、感じることのできる全てを感じてきました。
心を込めて準備に準備を重ねてくださった仏教伝道協会や菩提樹の皆さん。そして、最後まで料理長や尼僧を質問攻めにして(笑)この時間を全身で味わって下さった参加者の皆さん。お料理をじっくり味わって身体に摂り入れることで、食材の命とひとつになり、それこそ物理的にも「大心」を感じて頂けたのではないかと思います。もぅ自然に、そぅ言わざるを得ない「いただきます!」と「ごちそうさまでした!」の唱和(←しかも声は張り気味!笑)で、会場もひとつになったのでした〜
尼僧の大感激&大感謝の料理教室レポは以上です。最後までお読みいただいてありがとうございました〜
後日YouTubeチャンネル「おんさんの精進ごはん」内でも、動画やショートにて東京見物の様子も交えて、少しご紹介させていただく予定です。どうぞお楽しみに!