禅人メンバー

きのしたしょういん
木下 紹胤
ZENzine ライター
(社)禅人 総務部
臨済宗妙心寺派
乾徳寺 副住職

1982(昭和57)年、4人姉弟長男末っ子として名古屋のお寺に生まれました。
一度宗門の大学に通いますが、そこで入った寮生活に衝撃を受け、自分の人生を見つめ直すことに。高校生の頃に観たフランス映画(トリュフォーやゴダール)の世界への憧れを捨てきれず、フランス語学科のある大学に編入し、卒論は詩人ヴェルレーヌと象徴主義についてでした。
フランス留学中、自己紹介で「お寺の生まれ」と言うと、周りから「禅とは何か?」と質問攻めにあい、何も答えられない自分を情けなく感じたのを覚えています。
大学卒業後は、結婚式場でカメラマン(主に動画)として勤めながら、バンド活動、映画製作をするもどれも突き詰めることができず、再度自分の人生を見つめ直し、27歳で覚悟を決めて修行道場へ行き、禅人メンバー他、多くのご縁をいただいて現在に至ります。
 
「禅とは何か?とは禅は問わない」、これは文筆家・池田晶子さんの言葉です。禅とはこういうものだ、と定義しない、定義できないということでしょう。なぜなら私たちの人生も、これが正解でこれが失敗だと、決めつけられないからです。
こういう生き方がある、こんな人間もいる、さまざまな人生を 風流 (象徴主“”義でいえばニュアンス)として絶対肯定する考え方が禅にはあると思います。
 
私は禅人で、その定義し尽せない 風流 を、言葉に託して伝えていきたい、そ“”して誰か一人でも心のしこり・決めつけをほどき、新しい風が吹き渡ることを願っています。
 
留学中に問われた「禅とは何か?」、今ならどう答えられるか、日々自分自身もその答えを追求し、更新していきたいと思います。
 
座右の銘:いろいろあってよし いろいろ思わんでよし(『ある先輩布教師さんの言葉』)
趣味:ギター(現在seventy seven guitarsのセミアコとasturiusのエレガットの二本で夜な夜なジャズギターの練習中)
好きな映画:道、小さな泥棒、グットウィルハンティング、エターナルサンシャイン、マンチェスターバイザシー、ジムジャームッシュの作品全般
好きな音楽:小沼ようすけ、Fishmans、UA、ペトロールズ
好きな禅師:六祖慧能禅師
好きな本:『人間の大地』、『ライ麦畑でつかまえて』、『リトルトリー』、吉本ばなな全般