どうしてお釈迦様と呼ぶのですか?

佐々木 閑
2021/4/5

Question :

お釈迦様はどうして「お釈迦様」と呼ぶのですか?他にも色々な呼び方があったりして、迷ってしまいます。

(兵庫県「よねよねクラブ」さんの質問)


Answer :

本名はゴータマさん。「シャカ族が生んだ偉大なる聖者」なので「シャカムニ(釈迦牟尼)」と呼ばれます。これが「釈迦」と省略され、「お釈迦様」とお呼びするようになったのです。

 
皆様、ごきげんよう。
仏教学者の佐々木閑です。

この連載では、皆様からの質問に私がお答えします。仏教やお釈迦様に関する質問だけでなく、思いついたこと、なんでもいろいろ聞いて下さい。全部お答えすることはできませんが、面白い質問や大切な質問を取り上げて、できるだけ分かりやすくお答えします。ただし禅については禅宗のお坊さんに聞いて下さいね。

では、第1回なので基本的な質問を取り上げて、答えましょう。

お釈迦様の本名は(伝説によれば)ゴータマ・シッダッタです。これはパーリ語という古代インド語での発音で、サンスクリット語という別の古代インド語で発音するとガウタマ・シッダールタといいます。どちらの発音でも構いません。ですから普通の人が呼びかける時は「ゴータマさん」「ガウタマさん」と呼んでいました。

このゴータマさんが、その後、出家して菩提樹の下で悟りを開いた時、「智慧の力で煩悩を取り除いて、目が覚めた」ということで「目覚めた人」と呼ばれるようになりました。これがインド語の「ブッダ」(目覚めた人)です。ついでに言うと、「目覚め」そのものはインド語で「ボーディ」といい、これが「菩提」という語になりました。

「目覚めた人=ブッダ(仏陀)」「目覚め=ボーディ(菩提)」という関係です。

そのブッダは、別の見方をすると、「シャカ族が生んだ偉大なる聖者」ですので「シャカムニ」とも呼ばれるようになりました。「ムニ」というのが「偉大な聖者」という意味です。しかしシャカムニ(漢字で「釈迦牟尼」)という語は長いので、そのうち「シャカ」(釈迦)と短い形に省略されるようになり、それで「お釈迦様」と呼ぶようになったのです。本当は「おシャカムニ様」と呼ばなければならないのですが、そんな面倒な言い方をする人はだれもいませんね。

さらに、ブッダは「この世をあるがままに正しく理解した人」とも言われるようになり、これが「タターガタ」というインド語で、それを中国では「如来」と訳しました。

ですから「ゴータマさん=ブッダ=如来」ということになるのです。

ただし、注意しなければならないのは、これらの三つの語のうち、特定の一人の人物を指す固有名詞は「ゴータマさん」だけです。ブッダとか如来は、別にゴータマ・シッダッタでなくても、悟りを開いた優れた人物なら誰に対して用いても構いませんね。ですから仏教世界にはゴータマさん以外にも無数のブッダや如来がいると考えるのです(阿弥陀様や大日様や薬師様など)。

最後にもう一つ。

そのブッダ(如来)になるために修行中の人のことを「菩薩」と呼びます。ゴータマさん(お釈迦様)の場合なら、菩提樹の下で悟りを開いてブッダ(如来)になる瞬間までの人生は「菩薩」だったわけです。お釈迦様はカピラ城に生まれる前の過去世でも修行を続けておられた、と考えられていますので、たとえばウサギに生まれたり、オウムに生まれたこともあって、その間もずっと修行していたわけですから、そのウサギやオウムは菩薩です

菩薩というと観音様のような立派なお姿ばかり想像しますが、菩薩は、この世のあらゆる動物の中に存在している可能性がある、ということです。
 


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