初めての人のための漢詩講座 11
第二章 漢詩のルール
平仄式とは?
平仄と韻で漢詩パズルのピースが出揃いました。次はそれらを並べていく盤面が必要です。
そのピースをどのように当てはめていくかを表した平仄の並びの式を平仄式といいます。ここから図式の話になるので、頭がこんがらがるかもしれませんが、がんばってついてきてください。
平仄式には、
平起式《ひょうきしき》と仄起式《そっきしき》
の二種類があります。これは起句の二字目が平声(○)か仄声(●)かで区別するのですが、実際に見た方が早いでしょう。
・平起式
起句 *○ *● ●○◎
承句 *● *○ *●◎
転句 *● *○ ○●●
結句 *○ *● ●○◎
・仄起式
起句 *● *○ *●◎
承句 *○ *● ●○◎
転句 *○ *● *○●
結句 *● *○ *●◎
漢詩は、二字・二字・三字の区切りで構成されるので、その区切りでスペースを空けています。
これまでの説明どおり、○は平声、●は仄声、◎は押韻する場所です。*は○でも●でも構いません。
平起式は起句の二字目が○、仄起式は●になってるのがわかると思います。起句の二字目が平で起こるから平起式、仄で起こるから仄起式です。
そして、起句二字目が、
○に決まると、残りの句の二字目は「○●●○」の並びに確定し、
●に決まると、真逆の「●○○●」の並びに確定します。
これに、これから説明する平仄式のルールを適用させていくと上記の図になります。そして、各句の平仄の並びを比較すると、おおよそ次のことがわかると思います。
1.起句から承句へは、○●の並びが反転して、
2.承句から転句へは、変わらずに同じ並び、
3.転句から結句へは、再び反転して起句と同じ並びに戻る。
これが漢詩の基本の型になります。
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