連載終了のお知らせ
ZENzine編集部より:当連載は今回で終了となります。研究と執筆で多忙を極める中、毎月の連載を続けてくださった佐々木先生と、たくさんの興味深い質問をお送り頂いて連載を支えてくださった読者の皆様に、ZENzine一同あらためて感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
さて、ここでひとつ嬉しいお知らせです。「残念!」と思われた方、どうかご安心ください。佐々木先生とZENzineが力を合わせた新企画の準備が、すでに着々と進んでおります。そう遠くない未来に、パワーアップした新たなカタチで、新連載が始動する予定です。皆様、どうぞお楽しみに!
「終了のご挨拶」
臨済宗の若手僧侶の方たちが、時代に合った仏教の教えや、日々の暮らしに役立つ仏教の知恵を多くの方々に紹介したいということで、このZENzineを立ち上げられた際、私も協力を求められたものですから喜んで参加することにしました。「閑先生のなんでもQ&A」という、いささか面映ゆいタイトルの相談コーナーを担当し、沢山の方たちから寄せられる様々なご質問にお答えするというスタイルで仏教の本義を語ってきました。
ご質問に対して「その答はこれこれです」とそっけなく応答するのではなく、その答が出てくる理由まで含めてご説明するように心がけました。つまりQ&Aというスタイルをとりながら、それを機縁として、読者の皆さんに仏教という宗教の本質的な世界観を理解してもらおうというのが本来の意図だったのです。
寄せられた多くのご質問の中から、「この質問にお答えすれば、読者の皆さんの仏教理解が一層深まることになるだろう」と思われるようなものを選び出し、できるだけ詳しく、易しく解説し、そして最後に、そのご質問へのお答を提示する、という構成で20回以上にわたって連載を続けました。
いただいたご質問はまだまだ沢山残っていますし、ZENzineメンバーの方からも「もっと続けて欲しい」というご要望もあったのですが、初期の目的である「仏教という宗教の本質を分かりやすく語る」という作業は、この20数回でほぼ完了したと思いますので、ここで終了することにします。
もしこの先、仏教に関することや、あるいは自分自身の生き方に関することでなにか疑問を感じた時は、ブッダが示してくれた「この世を正しく見る方法」を念頭に置きながら、正しい判断を下し、正しい生き方を選択していってください。私のこれまでの拙文が、そのための一助となれば幸甚です。
決して明るくない未来に向かって、それでも生き続けねばならない私たちには、自分を支えていくための杖が必要です。そしてブッダの教えは間違いなく、私たちにとっての頼もしい杖なのです。これからも、多くの方がブッダを拠り所とし、ブッダを鏡として、健やかな日々を過ごしていかれることを願います。
長い間、お読みいただいた読者の皆様には心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。
付記:これでZENzineとのご縁が切れるわけではありません。また別のスタイルで仏教を語りたいと思っております。今回お答えできなかったご質問も、そこであらためて取り上げていきたいと考えています。皆様、ご自愛ください。
佐々木閑