フォトギャラリー~仏教の聖地巡礼~(1)

谷川 光昭
2025/3/22

四大聖地巡礼~ルンビニ、ブッダガヤ、サールナート、クシナガラ

令和6年、幸いにもわたしは仏教の四大聖地巡礼の機会に恵まれました。

お釈迦様が生まれたルンビニ、悟りを開かれたブッダガヤ、その悟りを伝えようと初めて説法をしたサールナート、そして涅槃に入られたクシナガラ。これら四か所は仏教における四大聖地とも呼ばれ、仏教徒なら誰しもが一度は訪れてみたいと考える大切な場所です。

ルンビニ~降誕

お釈迦様降誕の地に建てられたマヤ堂とアショーカ王柱(ネパール・ルンビニ)

お釈迦様は、釈迦族の王子として現在のネパールのルンビニにて生誕されました。

現在では世界遺産にも登録され、母親のマヤ夫人《ぶにん》が沐浴されたとされる池や、お釈迦様がお生まれになった場所であると示されたマーカーストーンを守るように写真の白い建物「マヤ堂」が建てられており、お参りすることができます。

ブッダガヤ~成道

お釈迦様がお悟りを開かれた場所に建てられた大菩提寺の大塔(インド・ブッダガヤ)

お釈迦様は出家し、ブッダガヤ郊外で6年もの歳月をかけて苦行にのぞまれました。その苦行は、身がやせほそり肋骨が一本一本浮き出るほどだったと言われています。

しかし、苦行では悟りはえられないことを知り山を下り、尼蓮禅河《にれんぜんが》で沐浴し、村の娘・スジャータから乳粥の供養を受け元気を回復されます。そして後にブッダガヤと呼ばれるこの地で、菩提樹の下、瞑想に入りついに悟りをお開きになられました。

サールナート~説法

お釈迦様が最初に説法をされた地に建てられたダメーク・ストゥーパと寺院跡(インド・サールナート)

ブッダガヤで悟りを開かれたお釈迦様は、その教えを広めるべきか、また理解されるだろうかと迷われたと言われています。しかし梵天に請われ、教えを伝えていくことを決意され、初めての説法(初転法輪《しょてんぼうりん》)を行います。その地がここサールナートです。

苦行では悟ることができないと山を下りたお釈迦様が最初に教化した相手は、共に苦行をしていた五人の修行者たちでした。ここで初めて仏教の教えが説かれたのです。

クシナガラ~涅槃

お釈迦様が涅槃に入られた場所に建てられた涅槃堂と沙羅双樹(インド・クシナガラ)

お釈迦様は、80歳で入滅されるまで世に仏法をお広めになられました。教えを広める旅の途中、現在のネパールの国境に近いクシナガラにたどりつき、沙羅双樹の下、頭を北に向け、右脇を下にして横たわり、弟子や信者たちに見守られながら生涯を閉じたと伝えられています。

お釈迦様の足跡をたどる旅

仏教起源の聖地は日本から遥か遠く、行くことは叶わないと思っていました。

しかし、建仁寺、円覚寺の両管長様が聖地巡礼をするというお話を伺い、こんな機会はもう二度とないと、すべてをこの目で見て、肌で感じてこようという思いでインド、ネパールへ同行させていただきました。

建仁寺派管長小堀泰巖老大師と円覚寺派管長横田南嶺老大師 大菩提寺のご住職と記念撮影

今回は私感が満載の巡礼記となりますが、四大聖地巡礼の感動とインドで感じた祈りの力を現地の写真とともに、全7回にわたって皆様にご紹介したいと思います。

世界遺産に指定されている大菩提寺も犬にとってはくつろげる場所
大菩提寺の中に安置されている釈迦如来像

 
※本連載は、神宮寺報『山河』14号に掲載された記事に写真を加え、加筆・修正したものです。

page up